| おしごと。。 投稿者:kuu 投稿日:2008/07/17(Thu) 19:09 No.1725 | |
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 | 「繰り返す、夏のために」
大きな災害とかあると、コンビニのレジのところに募金ボックスがおかれたりします。あのお金って、きちんと届いているんでしょうか?今回は、大学時代の後輩の、S君の話。
S君は卓球部で1学年下、性格は温厚で、むしろおとなしめのいいヤツって感じでした。大学時代、自分はいろんな事をしてたんですけど、その夏はサマーキャンプの実行委員長をしていました。200人規模の大掛かりなもので、10数人のスタッフは裏方や準備に大忙し。それはそれで大変だったけど、いい思い出です。S君はそれにも参加してくれていました。医学への夢を生真面目に語る姿が場違いで可笑しかった。そんな彼が急逝したのは、それから数ヶ月もたたない、秋のことでした。急性骨髄性白血病。小高い丘、葬儀に並ぶ、長い長い列。頭を深々と下げるお母さん。
それから何ヶ月かたって、自分宛に郵便が届きました。S君のお母さんからです。息子の最後の夏をとても楽しいものにしてくれた、サマーキャンプへの感謝の言葉と、これを皆さんの活動に役立ててくださいと、学生にとってはずしりと重い金額の、寄付。サマーキャンプ実行委員会様と書かれた封筒を、しかしどうすればいいんだろう。途方にくれてしまいました。
本当なら、彼の学資の一部として、教科書代とか日用品とか、そんなものに充てられるはずだったその幾枚かの紙幣を、キャンプファイアーの薪とか、テントのレンタル料とか、打ち上げのビール代とか、そんなものに費やしてよいのだろうか。彼の遺志はどこだろう、難病の研究、困っている遠い国の子供たち、このお金は誰の手に渡るべきものなのか。考えても考えても、答えが出るはずもなく。結局そのお金の行き先は自分に一任されることとなりました。
実は。そのお金はまだ、自分の手元にあります。インフレも進んだので、ちょっと目減りしてしまったかもしれない中身と白い封筒の、しかしその意味は少しも色あせず。行く先を決めきれなかった自分の優柔不断を、ちょっと嘆くように。
あの夏に語られた彼の夢の、その先に自分がいますように。旅立った彼、あるいは実習先の患者さん、初めての見取りをさせてくれたおじいちゃん、手のひらの下で、もう声をあげない赤ん坊。
みんなみんな。 また夏が。来ますように。
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